ブルージーかつ都会的な洗練、ジョー・サンプルのエレピも印象的な佳作
ラウンド・ミッドナイト / ケニー・バレル
1950年代から活躍し、作品数も大変多いジャズギター・レジェンド、ケニー・バレル、本作は1970年代前半の代表作といっていいと思う。
ファンタジーレーベル移籍後の第一作目だけれど、大きく心機一転という感じはあまりなく、ブルージーで音数は少ないながらもよく歌う彼らしいプレイは本作でも面目躍如。
夜のイメージで語られることの多いケニーだが、ここでもミディアム～スロウを基本に、まったりコクのある演奏を聞かせている。
攻めてくる感じはほとんどなく、地味といえば地味だが、その抑制感に都会的な洗練、洒脱さが感じられ心地よいのだ。
その「夜の洗練感」を醸し出しているのは、ケニーのギターと並んでエレピの存在が大きい。
ケニー・バレルの作品にエレピは珍しいが、とても相性はよく、軽妙で色気のある絡みにたびたび耳を奪われる。
リチャード・ワイアンズも良いが、1曲だけ「`round Midnight」で参加しているジョー・サンプルが印象的。
日本での人気が勢いづいたのはクルセイダーズがフュージョン路線でブレイクした70年代後半以降からだが、この時期の演奏も改めてチェックしておきたい。
Bass – Reggie Johnson (tracks: A1 to B3)
Drums – Lennie McBrowne (tracks: A1, A2, B1 to B3), Paul Humphrey (tracks: A3)
Guitar – Kenny Burrell
Piano – Joe Sample (tracks: A3), Richard Wyands (tracks: A1, A2, B1 to B3)
01．A Streetcar Named Desire
02．Make Someone Happy
03．`round Midnight
04．I Think It`s Going To Rain Today
05．Since I Fell For You
06．I`m Gonna Laugh You Right Out Of My Life
07．Blues In The Night
