ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

What's It All About / Pat Metheny (2011)

アコギ一本でポップスの超有名曲をカヴァーした佳作

ホワッツ・イット・オール・アバウト

ホワッツ・イット・オール・アバウト

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ホワッツ・イット・オール・アバウト / パット・メセニー

パットのアコギ一本でのソロ作。

しかもオーバーダビングなしで、バリトンギターがメイン。

全曲が超有名曲なポピュラーソングばかりで、サイモン&ガーファンクル「The Sound of Silence」、バート・バカラック「Alfie」、ベンチャーズ「Pipeline」、アントニオ・カルロス・ジョビン「イパネマの娘」、カーペンターズ「雨の日と月曜日は」スタイリスティックス「Betcha by Golly, Wow」、ビートルズ「And I Love Her」など、これでもかといわんばかりのベタベタな選曲である。

当然、これをパットがどう料理するか、そのアレンジと奏法に注目するわけだが、さすがというかやはりというか、見事というほかない。

42弦ギター(通称ピカソギター)を使っている「The Sound of Silence」は例外的にカラフルで楽しいが、その他の曲は、原曲のメロディを活かしながらも、ギターの音色とハーモニーを吟味しつくしたかのような、じっくりを聞かせる演奏が素晴らしい。

「イパネマの娘」はボサノバでやっていないし、「Pipeline」はロケンロールというよりはスパニッシュぽいしと、アレンジのアイデアも豊かで、まあこれくらいパットにしてみれば、どうってことないのかもしれないが、やはり唸らされる。

もの寂しげなジャケットがやや解せないが、録音も素晴らしく、良いオーディオで聞きたい佳作だ。

なお、日本国内盤のライナーは渡辺香津美氏で、ボートラが2曲追加されている。

 

 


1 The Sound of Silence / サウンド・オブ・サイレンス
2 Cherish / チェリッシュ
3 Alfie / アルフィー
4 Pipeline / パイプライン
5 Garota de Ipanema / イパネマの娘
6 Rainy Days and Mondays / 雨の日と月曜日は
7 That's the Way I've Always Heard It Should Be / 幸福のノクターン
8 Slow Hot Wind / スロー・ホット・ウインド
9 Betcha By Golly Wow / ゴーリー・ワウ
10 And I Love Her / アンド・アイ・ラブ・ハー

<国内盤ボーナストラック>
11 Round Midnight / ラウンド・ミッドナイト (* BONUS TRACK)
12 This Nearly Was Mine / ジス・ニアリー・ワズ・マイン