アマリリス&ベラドンナ / メアリー・ハルヴォーソン
気鋭の女性ジャズ・ギタリストによる2つの優美な組曲
CDとしては別の2枚なのだが、同時発売でどちらも同種のテーマで組曲という双子のような作品なのでまとめて。
メアリー・ハルヴォーソン1980年生まれで、ニューヨークのブルックリンを拠点に活動するギタリスト・作曲家。
名前でわかるとおり女性だ。
アメリカの老舗ジャズ雑誌であるダウンビート誌の年間批評家投票では上位の常連で、新作の注目度は高い。
作曲の才能が豊かな人で、ややアバンギャルドな作風が持ち味。
フリーキーというわけではないが、規則性を感じにくく、次の展開が読めない。
だからいって、小難しいかというとそうでもなく、軽やかで鮮やかなのだ。
『Amaryllis』は、Patricia Brennan(ヴィブラフォン)、Nick Dunston(ベース)、Tomas Fujiwara(ドラムス)、Jacob Garchik(トロンボーン)、Adam O’Farrill(トランペット)との6重奏団による演奏で、自由闊達で躍動感がある。
『Belladonna』は、弦楽4重奏であるThe Mivos String Quartetとの演奏で、ミニマルミュージックの影響なども感じさせるコンテンポラリーな作品。
決して一般受けするキャッチーな作品ではないが、心身を覚醒させてくれる音楽であることはたしかだ。