フィーリン・ザ・スピリット / グラント・グリーン
黒人霊歌を取り上げたグラント・グリーンの代表作
1960年代にブルーノートの看板アーティストのひとりとして活躍したギタリスト、グラント・グリーンの63年作。
当時の彼の勢いは半端なく、1年に2枚くらいのペースでアルバムを出していた。
本作は、その中でも代表作として知られ、いまなお評価の高い名作で、全編にわたってトラディショナルな黒人霊歌を取り上げている。
グラント・グリーンはコードはほとんど弾かず、シングル・ノートによるソウルフルでよく歌う演奏が持ち味。
そのスタイルは本作のテーマにドはまりで、アフリカン・アメリカンの伝統的な精神性を、じっくり深く語りかけるように演奏している。
慈悲にあふれたスピリチュアルな演奏は聴く者の耳をとらえてはなさない。
若き日のハービー・ハンコックの演奏も素晴らしく、特に「Sometimes I Feel Like A Motherless Child」の、やや重くうねるリフ、当時としてはかなりモダンなソロ、どちらにも才気が輝いている。
Grant Green (g)
Butch Warren (b)
Herbie Hancock (p)
Garvin Masseaux (tambourine)
Billy Higgins (ds)
1.Just A Closer Walk With Thee
2.Joshua Fit De Battle Ob Jericho
3.Nobody Knows The Trouble I've Seen
4.Go Down Moses
5.Sometimes I Feel Like A Motherless Child