ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Elegant Gypsy / Al Di Meola (1977)

超絶技巧ギターのレジェンドが放った鮮烈なデビュー作

Elegant Gypsy

Elegant Gypsy

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エレガント・ジプシー / アル・ディ・メオラ

いまさら言うまでもなく、超絶技巧のジャズギタリストと言うと、真っ先に名前が上がるのがこの人。

アメリカはニュージャージー州出身のイタリア系アメリカ人で、ジャズのみならずラテンやタンゴ、フラメンコなどを巧みに融合させたスタイルでも知られる。

いまでは、別に珍しくもないが、彼が登場した頃にはかなり新鮮だったのだ。

1974年にチック・コリアが率いるリターン・トゥ・フォーエヴァーに参加して、一躍注目を集める。

2年後には脱退してソロデビューを果たした、その記念すべきアルバムが本作だ。

上手いのはRTFで十分にわかっていたが、オリジナル曲の完成度が非常に高く、アレンジも巧み。

プロデュースも自分自身でやっているのだから、アーティストとしての総合力が相当に高い。

ドラムのスティーブ・ガッド、レニー・ホワイト、ベースのアンソニー・ジャクソンら、脇を固めるのは辣腕揃いだし、フラメンコ・ギタリストとして著名なパコ・デ・ルシアも参加。火を吹くようなバトルを聞かせる。

ハードロックぽい攻めまくりの曲もあれば、アコギ一本での情緒的な小品もあり、展開も飽きさせない。

ちなみにジェフ・ベックの名盤『ワイアード』のリリースは本作の前年1976年で、当時のギター好きのあいだでは、この2作品の話題で持ち切りだった。

以後、ディメオラは数十年にわたって活躍を続けるが、このデビュー作を彼の最高傑作と評するジャズファンは多い。

本人にとっては、やや複雑かもしれないが、やはりそれだけのインパクトがあり、また語り継がれるだけのクオリティがあったのだ。

 

 

Flight Over Rio
Midnight Tango
Mediterranean Sundance    
Race With Devil On Spanish Highway    
Lady Of Rome, Sister Of Brazil
Elegant Gypsy Suite

 

Al Di Meola - G
Steve Gadd) - D
Lenny White - D
Anthony Jackson - B
Jan Hammer - KB
Barry Miles - KB
Mingo Lewis - KB