ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Karnevel! / Scott Henderson (2024)

これぞハードフュージョン!というべき弾きまくりの一枚

Karnevel!

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カーニヴァル! / スコット・ヘンダーソン

ハードフュージョン系ギタリストしては、いま筆頭格と言っていい凄腕スコット・ヘンダーソン。

チック・コリア・エレクトリック・バンドの脱退後、1990年代は自らのルーツであるブルースに積極的に向き合っていたけれど、2000年代後半からはまたフュージョン色が色濃くなってきた。

ソロアルバムとしては、2019年の『People Mover』以来となるのが本作。

ソロとはいってもスコット・ヘンダーソンばかりが前に出る印象ではなく、実に強靭なバンドサウンドが堪能できて痛快この上ない。

ベースのロメイン・ラベイとドラムの アーチボルト・リニエールは前作に引き続いての参加で、コンビネーションも切れ味も疾走感も申し分なく、息を呑む瞬間が随所に。

スコット・ヘンダーソンのギターは、フレージングのアイデアが豊富で、聞き手の予想を適度に裏切りつつ駆け回り、飽きさせない。

タイトルやジャケットデザインからわかるとおり、曲想は多彩で鮮やか。

ハードフュージョンあり、ブルースあり、R&Bありとバラエティ豊かだが、全体的な音の質感や録音の調和がとれているので、とっ散らかった印象はない。

私の中では、いまでもイキのいい若手の印象が強いスコット・ヘンダーソンだが、すでに69歳。

しかし本作を聞く限り、まだまだ疾走し続けそうだ。

 

Scott Henderson (g)
Romain Labaye (b)
Archibald Ligonniere (ds)
Scott Kinsey (el-per)
Roland Gajate Garcia (conga)


1. Step Right Up 0:47
2. Karnevel! 8:41
3. Haunted Ballroom 6:58
4. Covid Vaccination 5:38
5. Puerto Madero 6:57
6. Sea Around Us 6:29
7. Sky Coaster 10:00
8. Greene Mansion 4:43
9. Bilge Rat 8:03
10. Acacia 5:00
11. Garnies Time 3:26