ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Silent Light / Dominic Miller (2017)

スティングを支えてきたギタリスト、ECMからのリーダー作

Silent Light

Silent Light

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サイレント・ライト / ドミニク・ミラー

ドミニク・ミラーは、1960年、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。

アメリカ、イギリスと移り住み、バークレー音楽学校、ロンドン・ギルドホールスクールで学んだのち、演奏活動をスタート。

ロック、ポップス系のアーティストのサポートで、名を上げてきた。

特にスティングとの関係が深く、1991年のアルバム「ソール・ケージ」以来、30年以上にわたりレコーディングやツアーに参加している。

並行してソロ活動も続けてきているが、ECMからリーダー作をリリースすると聞き、ちょっとびっくり。

それがこの『Silent Light』で、タイトルもジャケットデザインも、いかにもECMである。

この作品は、ECMの歴史を語る上で欠くことのできないギタリスト、パット・メセニーとエグベルト・ジスモンチへのオマージュとのこと。

なるほど、ゆったりとした残響感のある音像はパット・メセニーさながらだし、パーカッションの使い方などには、ジスモンチの影響が垣間見える。

基本はドミニクのアコギとマイルズ・ボウルドのパーカンションで、曲によってはドミニクがベースを多重録音しているようだ。

スティングの「Fields Of Gold」のカヴァー以外はオリジナル。

ジャズというよりはワールドミュージックで、ブラジル、フランス、ケルト、クラシックなどの要素が各曲にちりばめられられ、飽きさせない。

全体にゆったりしていて、攻めてくる感じはないが、耽美で繊細な音の連鎖は耳に心地よい。

スティングの横でガンガン弾いている人が、これほど純度の高いECM作品を送り出すとは、うれしい驚きである。

 



Dominic Miller (g)
Miles Bould (perc)

1.What You Didn't Say
2.Urban Waltz
3.Water
4.Baden
5.En Passant
6.Angel
7.Chaos Theory
8.Fields of Gold
9.Tisane
10.Valium
11.Pont, Le