スティングを支えてきたギタリスト、ECMからのリーダー作
サイレント・ライト / ドミニク・ミラー
ドミニク・ミラーは、1960年、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。
アメリカ、イギリスと移り住み、バークレー音楽学校、ロンドン・ギルドホールスクールで学んだのち、演奏活動をスタート。
ロック、ポップス系のアーティストのサポートで、名を上げてきた。
特にスティングとの関係が深く、1991年のアルバム「ソール・ケージ」以来、30年以上にわたりレコーディングやツアーに参加している。
並行してソロ活動も続けてきているが、ECMからリーダー作をリリースすると聞き、ちょっとびっくり。
それがこの『Silent Light』で、タイトルもジャケットデザインも、いかにもECMである。
この作品は、ECMの歴史を語る上で欠くことのできないギタリスト、パット・メセニーとエグベルト・ジスモンチへのオマージュとのこと。
なるほど、ゆったりとした残響感のある音像はパット・メセニーさながらだし、パーカッションの使い方などには、ジスモンチの影響が垣間見える。
基本はドミニクのアコギとマイルズ・ボウルドのパーカンションで、曲によってはドミニクがベースを多重録音しているようだ。
スティングの「Fields Of Gold」のカヴァー以外はオリジナル。
ジャズというよりはワールドミュージックで、ブラジル、フランス、ケルト、クラシックなどの要素が各曲にちりばめられられ、飽きさせない。
全体にゆったりしていて、攻めてくる感じはないが、耽美で繊細な音の連鎖は耳に心地よい。
スティングの横でガンガン弾いている人が、これほど純度の高いECM作品を送り出すとは、うれしい驚きである。
Dominic Miller (g)
Miles Bould (perc)
1.What You Didn't Say
2.Urban Waltz
3.Water
4.Baden
5.En Passant
6.Angel
7.Chaos Theory
8.Fields of Gold
9.Tisane
10.Valium
11.Pont, Le