ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Metheny Mehldau Quartet / Pat Metheny、Brad Mehldau

パット・メセニーとブラッド・メルドーの共演第2弾。

カルテット

カルテット

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メセニー・メルドー・カルテット / パット・メセニー、ブラッド・メルドー

前回の共演作『Metheny,Mehldau』(別記事あり)が2006年だったから、まさかわずか約1年後に続編がリリースされるとはびっくり。

とはいえ、再びコラボしたのではないようで、前作と同時期に録音したらしい。

前作の収録曲の大半はデュオだったが、10曲中2曲はカルテットだった。

その続編がこの『Quartet』だと考えればいいだろう。

なんせ前作は、ジャズのデュオ作品として、後年語り継がれるであろう完成度で、1+1がまさに3にも4にもなった傑作であった。

その楽曲の多くが静的なイメージであったのに対し、本作の多くがカルテット編成だけあって動的で躍動感にあふれる。

全11曲だが、組曲のようにも聞こえ、中心にあるのは、もちろんメセニーとメルドーの二人なのだが、丁々発止にわたりあう感じではなく、二人で大きな風景画を描き出しているような印象だ。

主導権をとっているのは、どちらかといえばメセニー。

書いてる曲も多いし、アコギからギターシンセまで、持てる技を総動員した印象さえある。

リズム隊は前作と同じく、ラリー・グレナディア(B), ジェフ・バラード (Dr)。

当代きっての辣腕だし、そもそもメルドートリオのメンバーで、グレナディアはメセニーとの共演経験もあるから、息はぴったり。

ただ、パット・メセニー・グループのように、細部まできっちり固めているのではなく、どこか伸びやかで開放感がある。
メセニーが他流試合を楽しんでいるかのような雰囲気というか。

楽曲の完成度や技巧を比べれば前作の方が上のように思えるが、そもそも2枚組でもおかしくはない作品なのだから、比べる意味はほとんどないだろう。

 


1.A Night Away (Metheny/Mehldau)
2.The Sound Of Water (Metheny)
3.Fear and Trembling (Mehldau)
4.Don't Wait (Metheny)
5.Towards the Light (Metheny)
6.Long Before (Metheny)
7.En La Tierra Que No Olvida (Metheny)
8.Santa Cruz Slacker (Mehldau)
9.Secret Beech (Mehldau)
10.Silent Movie (Metheny)
11.Marta's Theme (from "Passagio per il Paradiso") (Metheny)


Pat Metheny(g)
Brad Mehldau(p)
Larry Grenadier(b)
Jeff Ballard(ds)