ギタートリオ+女性ヴォーカルでの懐かしく滋味深い響き
ノー・グッドバイズ / ジョン・ステイン
2022年リリースの『Lifeline』(別記事あり)は、自らの足跡をたどるCD2枚組のベスト盤だったのだが、これが米ジャズチャートJAZZ WEEKの4位まで上がり、びっくりした記憶がある。
比べて日本では、人気、知名度は高いとは言えず、そもそも日本語のインフォが少ない。
そんなジョン・ステインの新作がリリースされたので、ここで紹介しておく。
ベスト盤を含め、これが18作目だ。
彼はかねてからウェス・モンゴメリーとジム・ホールからの影響の大きさを公言していて、そのスタイルはかつてのメインストリームの伝統を受け継ぐもの。
今回はエド・ルーシーのベース、マイク・コナーズのドラムとのトリオが基本で、彼らしいヴィンテージで滋味深い演奏を聞かせている。
さらに5曲ではヴォーカルにシンディ・スコットが参加。
私はジャズ・ヴォーカルにはあまり詳しくないのだが、ニューオーリンズを拠点に活躍中で、何枚かリーダーアルバムもあるらしい。
熱さや迫力を押し出すのではなく、軽やかで可憐な歌いっぷりが特徴だ。
どういう経緯でこのトリオに参加したのかはわからないが、1、2曲のゲストではなく5曲で歌っているのだから、ジョンもかなり買っていたのだろう。
全体に今ぽっさはほとんどない作品だが、アメリカではこうしたスタイルには根強い人気があるのだろう、JAZZ WEEKでは30位以内にランクインしている(2023年10月)。
John Stein: guitar
Cindy Scott: vocals
Ed Lucie: bass
Mike Connors: drums
Zip Line
Falling Grace
Dig Blues
What If Love Never Dies
Courage
Triste
No Goodbyes
Jardin Del Turia
Our Love Will See Us Through
Every Stepping Stone
Groundswell