同じメンバーでのECMから2作めのトリオ作
ダンス・オブ・エルダーズ / ウォルフガング・ムースピール
2020年の『Angular Blues』(別記事あり)に続く、ベースのスコット・コリー、ドラムのブライアン・ブレイドとのトリオ編成による第二弾。
4ビートはわずかで、イケイケ感は薄く、静謐で内省的な演奏が主体。
ECM的といえば、まあその通りだ。
ルーパー等のエフェクター使いなど、ウォルフガング・ムースピールだからして、かなり凝ったことをやっているのだが、隠し包丁的な感じで控えめ。
リズム隊の二人もおとなしめではあるが、ときにハッとさせるスリリングな瞬間もあって、耳が離せない。
リリース元のインフォに「ブライアンの浮遊するようなパーカッシブ・プレイとスコットの軽快なベースが、複雑なポリリズムと冒険的なハーモニーの風景の上で、ギタリストのアコースティックとエレクトリック・プレイを流動的な相互作用で引き立てている」とあるが、ほぼその通りだ。
アクセントの位置が掴みづらくノレる音楽ではないので、親しみやすいとは言いづらいが、これがコンテンポラリーなジャズギターのひとつの典型であることは確かなのだ。
Wolfgang Muthspiel (g)
Scott Colley (b)
Brian Blade (ds)
1. Invocation 10:51
2. Prelude to Bach 4:14
3. Dance of the Elders 5:57
4. Liebeslied 7:41
5. Folksong 4:56
6. Cantus Bradus 4:52
7. Amelia
7:05