名手ラリー・グレナディアを迎えての初のリーダー作
シーバング / スティーヴ・カーディナス
スティーヴ・カーディナスはカンザス州出身で、90年代半ばにNYに移り住み、ポール・モチアンらとの共演で名を上げてきた。
本作は初リーダー作で、彼は1959年生まれだから、40過ぎてのリリースと、やや遅咲き。
とはいえ重ねてきたキャリアは十分だし、共演メンバーがすごい。
ベースのラリー・グレナディアはパット・メセニーやブラッド・メルドーと、ドラムスのケニー・ウォルセンはビル・フリゼールとの共演でも知られる凄腕。
ぶっちゃっけラリー・グレナディアの名前で、このアルバムに触手を伸ばした人も多いのではないか。
現代ジャズの勘所を知り尽くした二人に支えられ煽られ、スティーヴ・カーディナスは実に心地よさそうに縦横無尽に奏でている。
少し上の世代にあたるパット・メセニーとジョン・スコフィールドの影響は明らかだが、それはこの二人の存在の大きさを考えれば当然のこと。
正確無比でまったくスキのない二人に比べ、どこか大らかでのどかで、良い意味でゆるいのがスティーヴ・カーディナスの持ち味といえそうだ。
10曲のうち9曲がオリジナルで、作曲の才もかなりのもの。
初のリーダー作としては、十分すぎるほどの出来栄えだ。
Steve Cardenas(g)
Larry Grenadier(b)
Kenny Wollesen(ds)
1.Across The Way
2.Lucky Number
3.De Cenote
4.Shebang
5.Safer Than Heaven
6.Tai Chi Chai Tea
7.Mr. Mule
8.Sacre Coeur
9.Make It So
10.Para Ti