ヨーロッパを代表するギタリスト、王道のトリオ作品
ファントム / ジェシ・ヴァン・ルーラー
1972年、オランダ・アムステルダム生まれ。
ヨーロッパを代表するジャズギタリストの一人である、ジェシ・ヴァン・ルーラーの2015年作品。
王道感のあるヴィンテージな味わいがこの人の持ち味だが、ギタートリオというオーソドックスな編成で、なおのことその個性が際立った印象だ。
本作は、ジョー・ヘンダーソン・トリビュートとのことで、なぜ彼なのかというと、単に好きだかららしい。
ジョー・ヘンダーソンはテナーの人だから、ギターで弾きやすくはないだろうが、そこはチャレンジということだろう。
特に変則的なアレンジを施しているわけではなく、いわば直球勝負だが、フレージングが巧みで、聞き手の予想を裏切りつつも、きちっと起承転結をつける構成力はさすが。
正直、ベースとドラムのプレイヤーはよく知らないのだが、本作を聴く限りジェシ・ヴァン・ルーラーとの相性はいいようで、アンサンブルの完成度は高い。
疾走感のある曲も美しいスロウもソツがないが、3分程度とかなり短く終わってしまう曲が数曲あり、ちょっとあっけない感じで残念に思えた。
※本作はSpotifyにもYou Tubeにも音源がなく試聴できないのは残念
映像は本作リリース時のツアーのもので、レコーディングメンバーと同じ。
Jesse van Ruller(G)
Clemens van der Feen(B)
Joost van Schaik(Ds)
1.Jinrikisya
2.A Shade of Jade
3.Black Narcissus
4.Punjab
5.Isotope
6.La Mesha
7.Tetragon
8.Serenity
9.Inner Urge