ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Heritage / Lionel Loueke (2012)

ヘリテージ / リオーネル・ルエケ

Heritage

Heritage

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ロバート・グラスパーがプロデュースした意欲作

リオーネル・ルエケは1973年、西アフリカのベナン共和国生まれ。

1990年にコートジボワールに移住、1994年にフランス・パリに渡り、American School of Modern Music in Pari で学位を得て、1999年に奨学生として米国のバークリー音楽大学に留学。

卒業後はセロニアス・モンク・ジャズ・インスティテュード(Thelonious Monk Institute of Jazz)に在籍。

巨匠ハービー・ハンコックに見出され、アルバム『Possibilities』(2005)、『River』(2007)に参加し、彼のバンドのメンバーになる。

と、トントン拍子でキャリアアップを果たしてきた人。

ソロ活動も活発で、2008年からは名門ブルーノートよりアルバムをリリース。

同レーベルからの第3弾が本作だ。

注目はレーベル・メイトのロバート・グラスパーがプロデュースとピアノで参加していること。

シンガーのグレッチェン・パーラトも2曲に参加している。

出自からして、アフリカン・ミュージックのテイストが色濃い人で、本作は、グラスパーのせいかそれがやや控えめではあるものの、土着的でファンキーな匂いは十分。

一方で、クールでやや無機的なHIP-HOPのグルーヴもあり。

『伝承』というタイトルが示すとおり、この作品は、自身の、そしてジャズのルーツであるアフリカン・ミュージックから、ジャズ、ファンク、R&B、HIP-HOPに至るアフリカン・アメリカンの音楽の歴史を凝縮しつつ伝承する、そうした意思が込められているように思える。

1 Ife    
2 Ouidah
3 Tribal Dance    
4 Hope    
5 Freedom Dance    
6 Chardon    
7 Farafina    
8 African Ship    
9 Goree    3:42
10 Bayyinah

Drums – Mark Guiliana
Electric Bass – Derrick Hodge
Guitar, Vocals – Lionel Loueke
Piano – Robert Glasper (曲: 2, 3, 4, 6, 8, 10)
Vocals – Gretchen Parlato (曲: 3, 4)