ヘリテージ / リオーネル・ルエケ
ロバート・グラスパーがプロデュースした意欲作
リオーネル・ルエケは1973年、西アフリカのベナン共和国生まれ。
1990年にコートジボワールに移住、1994年にフランス・パリに渡り、American School of Modern Music in Pari で学位を得て、1999年に奨学生として米国のバークリー音楽大学に留学。
卒業後はセロニアス・モンク・ジャズ・インスティテュード(Thelonious Monk Institute of Jazz)に在籍。
巨匠ハービー・ハンコックに見出され、アルバム『Possibilities』(2005)、『River』(2007)に参加し、彼のバンドのメンバーになる。
と、トントン拍子でキャリアアップを果たしてきた人。
ソロ活動も活発で、2008年からは名門ブルーノートよりアルバムをリリース。
同レーベルからの第3弾が本作だ。
注目はレーベル・メイトのロバート・グラスパーがプロデュースとピアノで参加していること。
シンガーのグレッチェン・パーラトも2曲に参加している。
出自からして、アフリカン・ミュージックのテイストが色濃い人で、本作は、グラスパーのせいかそれがやや控えめではあるものの、土着的でファンキーな匂いは十分。
一方で、クールでやや無機的なHIP-HOPのグルーヴもあり。
『伝承』というタイトルが示すとおり、この作品は、自身の、そしてジャズのルーツであるアフリカン・ミュージックから、ジャズ、ファンク、R&B、HIP-HOPに至るアフリカン・アメリカンの音楽の歴史を凝縮しつつ伝承する、そうした意思が込められているように思える。
1 Ife
2 Ouidah
3 Tribal Dance
4 Hope
5 Freedom Dance
6 Chardon
7 Farafina
8 African Ship
9 Goree 3:42
10 Bayyinah
Drums – Mark Guiliana
Electric Bass – Derrick Hodge
Guitar, Vocals – Lionel Loueke
Piano – Robert Glasper (曲: 2, 3, 4, 6, 8, 10)
Vocals – Gretchen Parlato (曲: 3, 4)