マッコイ・タイナー&エルヴィン・ジョーンズを含むセクステットでの熱演
ソリッド / グラント・グリーン
このアルバムは1964年に録音されたが長らくリリースされず、1979年にブルーノート・レーベルの未発表シリーズの一枚として登場。
マッコイ・タイナー&エルヴィン・ジョーンズというジョン・コルトレーン・カルテットのレギュラーメンバーであった二人が参加している。
この2つの点において『Matador』(別記事あり)と双子のようなアルバムである。
異なるのは『Matador』がカルテット編成であったのに対し、本作はアルトとテナーを加えたセクステットであること。
採り上げている曲も、演奏内容も多彩だ。
ただ、グラント・グリーンのギターは『Matador』に近く、本来の持ち味であるブルージーでファンキーなスタイルとは異なり、ハード・バップやモーダル・ジャズの側面が色濃い。
マッコイ・タイナー&エルヴィン・ジョーンズの熱演もあって、演奏の水準は全体を通して高い。
なんでこれが長らくお蔵入りになっていたのか疑問だが、いま言ってもしょうがない、というか聞けるのだからよしとしよう。
アルバムタイトルの「Solid」はソニー・ロリンズの曲だが、アルバムのなかでの白眉はジョージ・ラッセル作の「Ezz-Thetic」だろう。
やたらと複雑な展開の曲を見事に消化しつつ、各人のソロも聞きどころが多くて、11分近くがあっという間だ。
グラント・グリーンらしいアルバムかと言われると、ちょっと微妙ではあるけれども、60年代半ばのブルーノートの最強メンバーたちの熱演が詰まった佳作であることは確かである。
Bass – Bob Cranshaw
Drums – Elvin Jones
Guitar – Grant Green
Piano – McCoy Tyner
Tenor Saxophone – Joe Henderson
Alto Saxophone – James Spaulding
Minor League (Duke Pearson) - 7:05
Ezz-Thetic (George Russell) - 10:41
Grant's Tune (Grant Green) - 7:01
Solid (Sonny Rollins) - 7:23
The Kicker (Joe Henderson) - 6:23
Wives and Lovers (Burt Bacharach, Hal David) - 9:00 (CDボーナストラック)
