ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

HH / Lionel Loueke (2020)

HH / リオーネル・ルエケ

HH

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7弦セミアコでハンコックを見事にカヴァー

リオーネル・ルエケ(Lionel Loueke)は1973年、西アフリカのベナン共和国生まれ。

1990年にコートジボワールに移住、1994年にフランス・パリに渡り、American School of Modern Music in Pari で学位を得て、1999年に奨学生として米国のバークリー音楽大学に留学。

卒業後はセロニアス・モンク・ジャズ・インスティテュード(Thelonious Monk Institute of Jazz)に在籍。

巨匠ハービー・ハンコックに見出され、アルバム『Possibilities』(2005)、『River』(2007)に参加し、彼のバンドのメンバーになる。

いやもう、エリート街道まっしぐらのキャリアだ。

そんな彼が、ハービー・ハンコックの曲をカヴァーしたアルバムが本作。
(彼に捧げたオリジナルが2曲あり)

 


『HH』はHerbie Hancockの頭文字か、Head Huntersからか、おそらく両方だろう。

すべて7弦セミアコースティックギターによるソロ演奏で(一部多重録音)、そのアレンジのアイデアも、テクニックも相当なもの。

エフェクターは控えめではあるが、使い所が絶妙だ。

ハンコックの代表曲である「Watermelon Man」「Rockit」などを、独自の世界観で表現していおり、「なるほど、そうくるか」と感心することしきり。

近年のギターソロ・アルバムとしては出色である。

 

1.Hang Up Your Hang Ups
2.Driftin'
3.Tell Me A Bedtime Story
4.Actual Proof
5.Cantaloupe Island
6.Butterfly
7.Dolphin Dance
8.Watermelon Man
9.Come Running To Me
10.Voyage Maiden
11.Rockit
12.Speak Like A Child
13.Homage To HH
14.One Finger Snap