流麗なギターと重厚なテナーとの対比があざやかなセカンド
パノラミック / スティーヴ・カーディナス
2000年リリースの『Shebang』に続くセカンド。
前作はベースがラリー・グレナディア、ドラムがケニー・ウォルセンという、超強力なリズム隊とのトリオで、初リーダー作とは思えないほど、コクのある演奏を聞かせてくれた。
本作も、ベースとドラムは同じ布陣で、これで一定以上の完成度は約束されたも同然。
そこにテナーのトニー・マラビーが加わった。
この人はスティーヴ・カーディナスと一緒にポール・モチアンのバンドで活動していたことがあり、そのときのつながりかなと推察している。
初のリーダー作は2000年の『Sabino』で、ソロとしてのキャリアを重ね始めた時期も、カーディナスと同じだ。
本作も前作同様、非常に出来がよく、All About Jazzでは「2004年に発売された数ある一流のアルバムの中の一枚」と評されている。
リズム隊は強靭で駆動力があり、カーディナスの演奏は実に流麗で軽やかで、ソツがなさすぎると思えるほど。
なかでもモンクの 「Introspection」でのソロは絶品だ。
トニー・マラビーのテナーは、芯のある重厚な音色で、カーディナスの軽やかな音とのコントラストが鮮やか。
9曲中、7曲がオリジナルで、前作もそうだったが作曲能力も非常に高い。
さて次作では、メンバーや編成を変えてくるか、どうか。
Steve Cardenas – Guitar
Tony Malaby – Tenor Sax
Larry Grenadier – Bass
Kenny Wollesen – Drums
01. Visa 6:55
02. Sights 7:21
03. Isso É Para Dizer 6:55
04. Just Like I pictured It 6:03
05. Walkup 4:12
06. Oriel 5:56
07. Introspection 3:36
08. D. Marie 3:52
09. Salsita 4:02