ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Driftwood / Wolfgang Muthspiel, Larry Grenadier, Brian Blade (2014)

ウォルフガング・ムースピール、ECMからの初リーダー作

Driftwood

Driftwood

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ドリフトウッド / ウォルフガング・ムースピール

トリオ編成での作品で、ベースは共にゲイリー・バートン・グループのメンバーだった盟友ラリー・グレナディア。

ドラムは当代屈指の辣腕、ブライアン・ブレイド。

ブレイドとの共演は2007年の『Friendly Travelers』以来じゃないかな。

ムースピールはもともと、ECMぽいアンビエントな音空間をつくる人ではあるけれど、マンフレート・アイヒャーのプロデュースで、さてどういう音になったか。

「Driftwood」が三人の共作で、ほかの曲は全てムースピール作だ。

冒頭の「Joseph」は、いかにもECMらしい、ゆるやかで上品なサウンドで、ジョン・アバークロンビーあたりを思い起こさせる。

ただ、ECMぽいのはこの曲と、6曲目の「Lichtzelle」くらい。

全体を通して聞くと、アコギでの軽快な16ビートあり、エレキでのロックぽいノイジーな演奏ありで、曲調は幅広い。

ムースピールらしいアイデアの豊かさが随所に感じられ、期待を裏切らない。

グレナディアのベースは端正で引き締まっていて、ブレイドのドラムは躍動しながらも、やや控えめな名脇役ぶり。

録音も含め、過度にECMぽくしなかったのが、かえってよかったのではと思う。

 

Wolfgang Muthspiel(G)
Larry Grenadier(B)
Brian Blade(Ds)

1 Joseph    6:06
2 Uptown    7:32
3 Cambiata    5:32
4 Highline    5:41
5 Driftwood    3:40
6 Lichtzelle    4:46
7 Madame Vonn    4:37
8 Bossa For Michael Brecker    5:00