ウォルフガング・ムースピール、ECMからの初リーダー作
ドリフトウッド / ウォルフガング・ムースピール
トリオ編成での作品で、ベースは共にゲイリー・バートン・グループのメンバーだった盟友ラリー・グレナディア。
ドラムは当代屈指の辣腕、ブライアン・ブレイド。
ブレイドとの共演は2007年の『Friendly Travelers』以来じゃないかな。
ムースピールはもともと、ECMぽいアンビエントな音空間をつくる人ではあるけれど、マンフレート・アイヒャーのプロデュースで、さてどういう音になったか。
「Driftwood」が三人の共作で、ほかの曲は全てムースピール作だ。
冒頭の「Joseph」は、いかにもECMらしい、ゆるやかで上品なサウンドで、ジョン・アバークロンビーあたりを思い起こさせる。
ただ、ECMぽいのはこの曲と、6曲目の「Lichtzelle」くらい。
全体を通して聞くと、アコギでの軽快な16ビートあり、エレキでのロックぽいノイジーな演奏ありで、曲調は幅広い。
ムースピールらしいアイデアの豊かさが随所に感じられ、期待を裏切らない。
グレナディアのベースは端正で引き締まっていて、ブレイドのドラムは躍動しながらも、やや控えめな名脇役ぶり。
録音も含め、過度にECMぽくしなかったのが、かえってよかったのではと思う。
Wolfgang Muthspiel(G)
Larry Grenadier(B)
Brian Blade(Ds)
1 Joseph 6:06
2 Uptown 7:32
3 Cambiata 5:32
4 Highline 5:41
5 Driftwood 3:40
6 Lichtzelle 4:46
7 Madame Vonn 4:37
8 Bossa For Michael Brecker 5:00