ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Off The End / Brandon Ross Phantom Station (2024)

ダークで緊張感あふれるサウンドスケープ

Off the End

Off the End

  • Sunnyside
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オフ・ジ・エンド / ブランドン・ロス フォンタムステーション

ブランドン・ロスは、1955年、アメリカ・ニュージャージー生まれのジャズギタリスト。

弱冠18歳でアーチー・シェップ『トランペット・イン・マイ・ソウル』の録音に参加し、アーチー・シェップ、キップ・ハンラハン、オリヴァー・レイクらのサイドメンとして活躍。

1990年代にはカサンドラ・ウィルソンの作品のサポートにより注目を集める。

リーダーアルバムはやや遅く、2004年の『Costume』が初で、日本のタワーレコードが手掛けるIntoxicate Recordsからのリリースだった。

本作は、Phantom Stationというユニットを率いてのもので、かなり前衛的でアバンギャルド。

演奏というよりは、サウンドスケープの創出であって、現代音楽の範疇の作品だと思う。

リリース元のキャッチコピーに「ファズ、ウィスパー、オルガン、空間系サウンドなど、あらゆる音を駆使した芸術的な一枚!」とあり、何のことか今ひとつわからないが、そう表現したくなるのはわかる。

ダークでスリリング。
海外でのレビューに“「ツイン・ピークス」を連想させる”とあったが、なるほどである。

混沌とした音の群れの中に輝かしい一瞬も散りばめられていて、緊張感のある音世界に身を置きたいリスナーには魅力的だろうけれど、いわゆる「ジャズギターを味わう作品」ではない。

 

 

1. May Forever Pass Between
2. Through The Heart of My Demarcation
3. The Gate Is Open
4. Your Shoes Point Like Arrows
5. Unsharpened Angles of
6. I Can See All of This
7. How I Will Ornament Your Mouth
8. Sometimes I Stand Behind You
9. Immaculate Toes
10. Leave It On The Ground
11. Harmonic Convergence


Brandon Ross (guitars, vocals)
Graham Haynes (cornet, electronics)
David Virelles (keyboards, piano)
JT Lewis (drums) 
Hardedge (soundesign)