テリブル・アニマルズ / ラーゲ・ルンド
ダークなエフェクト使いが耳を引く野心作
ラーゲ・ルンドはノルウェー出身のジャズギタリスト。
アメリカに渡って、ジュリアード音楽院で学び、2005年に新人の登竜門であるモンクコンペティションで優勝したという俊英だ。
2008年に初のリーダー作である『Early Songs』を発表。
以降、コンスタントに活動をを重ね、2019年にカルテット編成でリリースしたのが本作。
それまでの作品は、わりとオーソドックスなスタイルで、アコースティックな響きを活かした演奏だったが、ここではエフェクターの使用が印象的。
ギターの音色を演出するという次元ではなく、時にシンセのようにも聞こえ、不穏な効果音みたく使われている。
全体としてポリリズミックで、アクセントの入り方が予想しづらい。
また、ラーゲ・ルンドが奏でるフレーズも、ときにかなり大胆にスケールアウトしつつ浮遊する。
とはいえ特に異形な感はなく、コンテンポラリーなジャズとしては納得感のあるスタイルだ。
チック・コリアやパット・メセニーなど大物との共演で知られ、ブラッド・メルドー・トリオのベーシストであるラリー・グレナディアの演奏もさすがだ。
Guitar, Effects – Lage Lund
Piano – Sullivan Fortner
Bass – Larry Grenadier
Drums – Tyshawn Sorey
1.Hard Eights (Lage Lund) 7:06
2.Aquanaut (Lage Lund) 7:35
3.Suppressions (Lage Lund) 9:25
4.Haitian Ballad (Lage Lund) 7:33
5.Ray Ray (Lage Lund) 10:01
6.Octoberry (Lage Lund) 5:16
7.Brasilia (Lage Lund) 4:52
8.Take It Eas (Lage Lund) 7:08
9.Terrible Animals (Lage Lund) 2:39
10.We Are There Yet (Lage Lund) 6:05