メセニー流バリトンギターソロの“第3楽章”
ムーンダイアル / パット・メセニー
これまでに50枚のアルバムをリリースし、20回以上のグラミー賞ノミネートを記録しているジャズギター・レジェンド、パット・メセニー。
その多大な実績と長いキャリアにもかかわらず、彼が奏でる音は常に新鮮で、枯れた味わいとか渋さとかには程遠い。
本作は、バリトンギター一本でのソロアルバム。
同じ趣向のアルバムは『One Quiet Night』 (2003年:別記事あり) と『What's It All About』 (2011年:別記事あり)と過去に2作ある。
『What's~」はもっと最近かと思ってたが、10年以上も経っていたとはやや意外。
このアルバムではバリトンだけ弾いていたわけではないがバリトンメインだったので、これを第2楽章とすれば、本作はバリトンソロの第3楽章と考えていいのだろう。
特注のナイロン弦のバリトンギターを使用したそうだが、前2作とさほど大きな違いがあるようには聞こえない。
低音弦の豊かな響きは、聞き手の体を包み込むかのようで、滑るようなソロは流麗で品があっていかにもメセニー節。
ややフォーキーな印象があるのはアコギゆえのことだろう。
オリジナル曲がメインだが、ビートルズの「Here, There and Everywhere」をカバーしていて、その解釈、アレンジ、奏法のクオリティの高さは、「何をいまさらビートルズ?」という懸念を一小節で吹っ飛ばす出来栄え。
大変心地よく身を委ねられる作品ではあるのだが、2023年の前作『Dream Box』(2023年:別記事あり) もギターソロ(フルアコメイン)だったことを考えれば、そろそろコンボでの作品が聞きたいところだ。
01. MoonDial
02. La Crosse
03. You’re Everything
04. Here, There and Everywhere
05. We Can’t See It, But It’s There
06. Falcon Love
07. Everything Happens To Me / Somewhere
08. Londonderry Air
09. This Belongs To You
10. Shoga
11. My Love And I
12. Angel Eyes
13. MoonDial (epilogue)
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