ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Downhill From Here / Gilad Hekselman (2025)

2025年を代表するコンテンポラリー系ギタートリオの秀作

ダウンヒル・フロム・ヒア / ギラッド・ヘクセルマン

 
ギラッド・ヘクセルマンはイスラエル出身のジャズギタリスト。
コンテンポラリー系の王道という言い方は変かもしれないが、カート・ローゼンウィンケルの次の世代の最重要ギタリストであることは衆目の一致するところ。
ちなみ二人の年齢は10歳以上違う。(カートは70年、ギラッドは83年生まれ)
 
12作めのリーダー作となる本アルバムは、ドラムにマーカス・ギルモア、ベースにラリー・グレナディアという、超凄腕を迎えてのトリオ作。
なんでもやれちゃう人たちなので、アグレッシブなイケイケの曲から、穏やかなバラードまで、どの演奏もアイデアが豊富でスキがなく密度が高い。
3人のインタープレイは強固ではあるが、ぎっちり固まってというよりは、音空間を拡張していくかのようで、いかにもコンテンポラリー。
曲構成、アレンジも素晴らしく、耳馴染みのいいフレーズで聞き手をつかみ、予期せぬ方向に導いてスリリングな体験をさせつつ、気がつけば元の親しみやすい場所に戻るという展開は、ある程度わかってはいても心に響く。
「DOWNBEAT」誌のレヴューで★4つ半という高評価なのも頷ける。
ギタートリオの最も現代的なかたちはと問われたら、この作品を聴いてもらえばいいと思う。
 
なお「Scoville」は、ギラッドが敬愛するジョン・スコフィールドへのオマージュとされ、2020年のアントニオ・サンチェスらとのトリオ作『Trio Grande』(別記事あり)収録曲の再演。
よほど思い入れの強い曲なのだろう。聴き比べてみるのも面白い。
 
 
1.Downhill From Here 05:52
2.Navanad 07:14
3.Be Brave 05:54
4.Alfie 03:50
5.Wise Man 05:28
6.Seeing You 06:36
7.Scoville 05:37
8.Like A Wildflower 03:30
 
Gilad Hekselman - Guitar, Compositions
Larry Grenadier - Bass
Marcus Gilmore - Drums