70年代後半のECMが示した「室内楽的ジャズ」の代表作
アーケード / ジョン・アバークロンビー・カルテット
1974年の傑作『Timeless』で見せたジャズ・ロック的なエネルギッシュなスタイルから進化したというべきか、方向転換したというべきか。
より思索的で空間的な広がりを持つサウンドへと移行し、いわゆるECMらしい「室内楽的ジャズ」のあり方を鮮やかに示した一作。
バークリー音楽院同期のメンバーによるカルテット編成で、なかでもピアノのリッチー・バイラークの存在感は大きく、双頭アルバムといってもいいほど。
全5曲のうち、アバークロンビーが2曲、バイラークが3曲書いている。
浮遊感のあるアバークロンビーのギターと、クラシック的な響きを持つバイラークの硬質なピアノ。
対比的でありながらも見事に融和しており、ECM特有の深いリバーブとも相まって、実に耽美的な音空間を作り上げている。
アバークロンビーは2017年に永眠。
バイラークも2026年に天に旅立ったが、彼らが描いたサウンド・コラージュの美しさは永遠である。
Arcade (John Abercrombie)
Nightlake (Richie Beirach)
Paramour (John Abercrombie)
Neptune (Richie Beirach)
Alchemy (Richie Beirach)
Recorded: December 1978, Talent Studio, Oslo
John Abercrombie – guitar, electric mandolin
Richie Beirach – piano
George Mraz – double bass
Peter Donald – drums
