初期のECMレーベルを代表する、耽美で知的なアコギソロ作品
ダイアリー / ラルフ・タウナー
ECMの看板ギタリストの一人、これがソロギターとしての初の作品。
録音は1973年4月。
なお、初のリーダー作はベースのグレン・ムーアとのデュオ名義で、本作の数ヶ月まえにリリースされた『Trios / Solos 』である。
本作は、多分にクラシック的であり現代音楽的であり、当時はヒーリングミュージックという言葉は一般的ではなかったが、ヒーリング的な要素も多分にある。
とにかく12弦を中心とするギターの響きが美しく、知的で端正でありながらもスケール感があり包容力に富む。
このときラルフ・タウナーは30代の半ばなのだが、どこか悟りきっているかのような印象すらある。
アメリカのジャズからの縁遠さ、という点において、最もECMらしい作品のひとつで、「バップ命」みたいなジャズファンからすれば、この作品をジャズとは呼べないだろう。
しかしアコギと僅かなピアノ、パーカッションで成しうる音世界の広さ深さ、そして純度の高さは比類なきものがある。
ホールの残響感のある録音もまた、いかにもECMである。
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