ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Uncle John's Band / John Scofield (2023)

キャリア約50年の巨匠ジョンスコ、トリオ編成での快作。

アンクル・ジョンズ・バンド / ジョン・スコフィールド

2022年リリースの前作John Scofield』(別記事あり)は、キャリア初のソロギター作品であったが、本作は、ベース、ドラムとのオーソドックスなトリオ編成。

メンバーはドラムに共演歴の長いビル・スチュワート、ベースには2018年の『Combo 66』にも参加していたヴィセンテ・アーチャー。

この人はロバート・グラスパーのトリオでの活躍でも知られる。

 

CD2枚組にしては、トータル約90分と特に長くはないのだが、聴き応えは十分。

4ビートありアメリカーナぽいものありと、曲調のバリエも豊かだ。

ボブ・ディランの「Mr. Tambourine Man」、ニール・ヤングの「Old Man」など、やや異色な曲も取り上げているが、ギタートリオへのアレンジは流石に見事。

ちなみにアルバムタイトルにもなっている『Uncle John's Band 』はグレイトフル・デッドの曲で、この料理の仕方も上手い。

 

ジョンのギターは伸びやかで縦横無尽の弾きまくり。

それでいてこの人ならではの知的で凛とした佇まいは、変わることはない。

レーベルはECM、プロデューサーはもちろんマンフレッド・アイヒャーで、御年80歳。

ジョンは70過ぎ。

老齢の二人、熟練の味わいはあるものの、枯れてきた印象は薄く、むしろ瑞々しさを感じるほどだ。

 

 

John Scofield (g)
Vicente Archer (b)
Bill Stewart (ds)


CD1
1. Mr. Tambourine Man (Bob Dylan) 9:05
2. How Deep (John Scofield) 5:39
3. TV Band (John Scofield) 7:22
4. Back In Time (John Scofield) 6:49
5. Budo (Miles Davis / Bud Powell) 4:12
6. Nothing Is Forever (John Scofield) 6:40
7. Old Man (Neil Young) 7:02

CD2
1. The Girlfriend Chord (John Scofield) 5:22
2. Stairway To The Stars (Matt Malneck / Frank Signorelli / Mitchell Parish) 6:42
3. Mo Green (John Scofield) 7:19
4. Mask (John Scofield) 6:34
5. Somewhere (Leonard Bernstein / Stephen Sondheim) 6:32
6. Ray's Idea (Raymond Brown / Gil Fuller) 3:56
7. Uncle John's Band (Jerry Garcia / Robert Hunter) 6:27