リー・コニッツ、ビル・フリゼールも参加した幻想的でリリカルな音世界
テイキング・ターンズ / ヤコブ・ブロ
ウォルフガング・ムースピール、ドミニク・ミラーと並び、今日のECMの看板ギタリストの一人であるヤコブ・ブロ。
本アルバムは新作ではあるが、録音は約10年前の2014年、ニューヨークのアヴァター・スタジオにて。
2020年に惜しくも他界したリー・コニッツのアルトとソプラノを聞くことができる。
ぶっちゃけコニッツ目当てに、この作品を手を取る人も多いだろう。
ヤコブ・ブロはかねてから「ギターをソロ楽器というよりも、場の空気をつくるための装置として考えている」と語っている。
手っ取り早くいえば、独創的な音空間と時間の流れの設計の妙にこそ彼のクリエイティビティがあり、ソロをがんがん聴かせるタイプではない。
本作もその面目躍如で、自身とビル・フリゼールのギター2本、およびピアノでアンニュイで柔らかな音の枠組みをつくり、その空間の中を漂うように各人の即興が現れては消えるというのが基本。
コード楽器が3つもあるとごちゃつきそうなものだが、そこはECMの録音の技もあって、空間設計のバランスはいい。
ギターは右左に別れていて、ヤコブとビルとどっちがどっちだかわからないけれど、そもそもが音空間を拡張するための2本であってソロの応酬をするわけでもないので、別にどちらでも気にはならない。
特筆すべきはやはりリー・コニッツで、リリカルに紡がれるフレーズの数々は、牧歌的なようで幻想的でもあり、この響きこそが本作の画竜点睛となっている。
1. Black Is All Colors At Once
2. Haiti
3. Milford Sound
4. Aarhus
5. Pearl River
6. Peninsula
7. Mar Del Plata
Jakob Bro ヤコブ・ブロ (guitar)
Lee Konitz リー・コニッツ (alto saxophone except 2, 7) (soprano saxophone on 2)
Bill Frisell ビル・フリゼール (guitar)
Jason Moran ジェイソン・モラン (piano)
Thomas Morgan トーマス・モーガン (double bass)
Andrew Cyrille アンドリュー・シリル (drums)
Recorded
March 2014, Avatar Studios, New York
