多様な国籍の音楽を多様な弦楽器で織りなした意欲作
インターコンチネンタルズ / ビル・フリゼール
Elektra/Nonesuchレーベルからの16作目のリーダー作。その前のECM時代からは20作目かな?企画ものをどうカウントするかによるけれども。
それまでのビル・フリゼールの音楽性は、アメリカのルーツミュージック、ジャズ、現代音楽などを独自に融合させたものが基本にあった。
けれど、本作ではそこから離れて、南米、アフリカ、中近東といった多様な音楽的要素を取り入れ混交させているのが大きな特徴。
ジャズアルバムにおいて「異文化の音楽を取り込みジャズの枠組みを超えた」といったコンセプトや評価はさほど珍しくはないが、実のところ味付け程度なケースは少なくない。
この作品ほどガチなのは、ビル・フリゼールのギタリストというよりは音楽家としての野心と才覚によるものだろう。
参加メンバーは当然多国籍で、
ブラジルのギタリスト兼シンガーのヴィニシウス・カントゥアリア、
マケドニアのウード奏者クリストス・ゴヴェタス、
アメリカのヴァイオリン奏者ジェニー・シャインマンと、同じくスティールペダルのグレッグ・リーツ、
マリのパーカッショニスト、シディキ・カマラなど、
カタカナの表記はこれでいいのか、とまどうようなメンバーがずらり。
興味深いのは鍵盤とベースがおらず、パーカッションを除けばみな弦楽器であること。
フリゼールのギターも含め、弦ならではの多重的な響きが織りなす色彩豊かなサウンドスケープが特徴だ。
ただ、作品全体が国際色豊かでごった煮的かというと意外とそうでもなく、アメリカーナ色が全体に漂っている。
それは、アメリカーナが本来持っている多国籍・多民族性ゆえでもあり、フリゼールの空間の支配力、統率力の強さであるだろう。
ただそれは日本人の感覚で聴いているから、そう思うのかもしれないが。
しばらくこの路線でいくのかと思ってたら、次作、2004年の『Unspeakable』ではファンク志向になった。
まったくもって変幻自在な人である。
1 Boubacar
2 Good Old People
3 For Christos
4 Baba Drame
5 Listen
6 Anywhere Road
7 Procissão
8 The Young Monk
9 We Are Everywhere
10 Yála
11 Perritos
12 Magic
13 Eli
14 Remember
Bill Frisell – electric and acoustic guitars, loops, bass
Sidiki Camara – calabash, djembe, congas, percussion, vocals
Vinicius Cantuaria – electric and acoustic guitars, vocals, drums, percussion
Christos Govetas – oud, vocals, bouzouki
Greg Leisz – slide guitars, pedal steel guitar
Jenny Scheinman – violin
