ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Road Song / Wes Montgomery (1968)

ロード・ソング / ウェス・モンゴメリー

ビートルズやS&Gの名曲を採り上げたウェスの遺作

1967年の『A Day in the Life』、1968年の『Down Here on the Ground』と共に、イージーリスニング志向の強い、いわゆる「A&M3部作」の中の一枚。

このアルバムが録音されてから1ヶ月後に、ウェスは45歳の若さで永眠したため、本作が遺作となった。

代表作である『Full House』(1962)をリリースしたころのウェスは、モダンジャズの王道を歩んでいた。

しかし60年代後半からイージーリスニング色が濃くなり、67年にA&Mレコードに移ってからは、クリード・テイラーの制作、ドン・セベスキーの編曲で、上記の3作を立て続けにリリースした。

私もリアルタイムでは知らないが、当時はコアなジャズファンから、コマーシャリズムに走ったとか大衆に媚びているとか、今の言葉でいうと散々ディスられたそうだ。

しかしジャズギターの最高峰とされる指さばきで、ビートルズなどの有名曲をやるのだから、ジャズファンの枠を超えた人気を得るのは当然で、『A Day in the Life』は、当時のジャズアルバムとしては異例の20万枚を超えるヒットとなった。

本作でも、ビートルズやサイモン&ガーファンクルらの名曲を採り上げていて、耳馴染みがいい。

イージーリスニングぽいからといって、決して手癖で軽く弾いてるわけではなく、展開される流麗なフレーズの数々は、さすがというほかない。

若くしての死が本当に惜しまれる。

1.Road Song
2.Greensleeves
3.Fly Me to the Moon
4.Yesterday
5.I'll Be Back
6.Scarborough Fair/Canticle
7.Green Leaves of Summer
8.Serene
9.Where Have All the Flowers