デニス・チェンバースのドラムが冴えわたる強靭なアンサンブルのライヴ
ピック・ヒッツ・ライヴ / ジョン・スコフィールド
タイトルからはわからないが、東京・昭和女子大学人見記念講堂での来日公演(87年10月7日)を収録した作品。
正式には「John Scofield Band」名義である。
ジョンスコは80年代半ばにマイルス・デイヴィス・グループのメンバーとして活躍し、高い評価を得て、グループ脱退後の87年にソロの秀作『Blue Matter』をリリース。
『Blue Matter』に参加していたゲイリー・グレンジャー(bass)、デニス・チェンバース(drums)はこのライヴのメンバーであり、ロバート・アリエス(keys)を含めたアンサンブルは強固で柔軟。
込み入った変拍子の決めどころも難なくこなし、かといってメカニカルな印象は薄く、躍動感にあふれる。
とくにデニス・チェンバースの重心が低く、かつキレの良い叩きっぷりが素晴らしい。
全体にフュージョン、といっても軽く爽やかなそれではなくファンク寄りのサウンドデザインで(当時はエレクトリックジャズと呼ばれていたが)ロックギター好きにもよく聴かれていたような印象がある。
なお、のちに3曲追加されCD2枚組で「完全版」と銘打ってリリースされたが、どうやら日本だけの仕様だったようだ。
1 PICK AND PANS
2 PICK HITS
3 HEAVEN HILL
4 PROTOCOL
5 BLUE MATTER
6 THANKS AGAIN
7 TRIM
8 GEORGIA ON MY MIND
9 MAKE ME
John Scofield – electric guitar
Robert Aries – keyboards
Gary Grainger – bass guitar
Dennis Chambers – drums
