ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Twist / Ray Obiedo (2024)

参加ミュージシャンがやたら豪華なラテン系スムーズジャズギター

Twist

Twist

  • Rhythmus Records
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トゥイスト / レイ・オビエド

JAZZ WEEKのチャートをチェックしていて、久々にこの人の名前を見た。

サンフランシスコを拠点に活躍するギタリスト、レイ・オビエド。

2024年5月リリースの本作『Twist』は19位にランクしており、なかなか人気が高いようだ。(6月10日付)

調べてみると、私のチェックが漏れていただけで、近年ラテン関連のアルバムを発表しているらしい。


キャリアの初期にはサイドメンとして、ジョニー・スミス、ハービー・ハンコック、ジョージ・デューク、シーラ・E など、ジャズ・フュージョン・R&B系の作品に参加していたが、ソロとしてのアルバムデビューはウィンダムヒルから。

1990年から97年にかけて、コンスタントに5枚のアルバムをリリースした。

ただウィンダム・ヒルを離れた2000年以降は、アルバムリリースに10年以上のインターバルがあり、自身が設立したレーベル<Rhythmus Redords>から、2014年に『There Goes That』を発表している。

ウィンダムヒル時代のレーベルイメージの印象が強い人が、私を含めて多いかもしれないが、今の彼はラテン路線のようで、本作もモロにそれ。

陽気でノリがよく、メロがキャッチーで、アルバム全編にわたって耳馴染みがいい。
かつての高中正義を聞いているような印象もある。

そして、参加ミュージシャンが、やたらと豪華だ。

パーカッションには、大御所のピート・エスコヴェード(御年88歳。失礼ながら現役とは知らなかった...)

サックスにイエロー・ジャケッツのボブ・ミンツァー。

スティール・パンの名手アンディ・ナレル。

ヴォーカルにシーラ・E。

ドラムにはタワー・オブ・パワーのデイヴィッド・ガリバルディ。

レイ・オビエドが弾きまくっている印象は薄く、アンサンブル重視な感じで、ボブ・ミンツァーやアンディ・ナレルのソロもたっぷり。

このメンツなのだから、それも当然だろう。

ぶっちゃけ音楽的な深みはあまりなく、耳に心地よいドライブミュージックという印象だが、初夏を迎えるこれからの季節のBGMには好適。

だからこそチャートアクションがいいのだろう。

 


Ray Obiedo guitar
Bob Mintzer saxophone
percussion powerhouses Pete Escovedo and Peter Michael Escovedo
vocals from Sheila E, Lilan Kane, Leah Tysse, Michelle Hawkins and Sandy Cressman
sax and flute Norbert Stachel
trombon Jeff Cressman
keyboardist Peter Horvath
drums Phil Hawkins
drums David Garibaldi
bass Marc van Wageninge
keyboards David K. Mathews
percussion Karl Perazzo


1.Caribe Nuevo 05:45
2.Twist 05:48
3.Curacao 06:00
4.The First Thing 06:23
5.All Day Music 04:21
6.Alquezar 06:41
7.Enotea 05:12
8.Zulaya 05:15
9.Lucky Break 06:24