初期のECMレーベルを代表するインプロビゼーション作品
ザ・ミュージック・インプロヴィゼーション・カンパニー / デレク・ベイリー
即興演奏の巨匠デレク・ベイリー、1970年の録音。
当時の欧州フリージャズの象徴的な作品であり、初期のECMを代表する作品である。
ちなみにレーベル設立から数えて本作が5作目のリリースで、ギタリストのリーダーアルバムはこれが初である。
かなりテンションの高いアバンギャルドなフリーで、歌心など皆無に等しい。
大衆音楽としての間口は狭く、これを楽しめる人は限られるだろうし、ぶっちゃけ私自身、全く好みではない。
だが「ECMのギターの歴史」「欧州フリージャズの歴史」を語るうえで、外すことのできないアルバムであることも確か。
のちにキング・クリムゾンの一員となるパーカッションのジェイミー・ムーアの参加でロックファンにも知られる作品でもある。
かの名作「太陽と戦慄」のキーパーソンとも言えるミュージシャンだからして、それも当然だろう。
ECMといえば透明感があって、静謐で、上品で、端正で、知的で、というイメージを強く持つリスナーにとっては(私もそうだが)、かなりECMらしくない過激なフリーではある。
しかしプロデューサーであるマンフレート・アイヒャーは、ECMの設立前から、ドイツのペーター・ブロッツマンなど、欧州フリーの極北とも言える作品の制作に携わっていた人だ。
そのキャリアからすれば、このデレク・ベイリーの作品を手掛けたのは、不思議でも何でもない。
1969年に誕生したばかりのECMからの初のギター作品が本作なのだから、相当の思い入れがあってのことだろう。
日本のフリージャズギターの第一人者である大友良英は、このデレク・ベイリーから大きな影響を受けており「このアルバムで演奏している人たちと一緒に演奏したくてしょうがなくて90年代ヨーロッパに渡ったようなもの」とのことで、全員とではないが、その願いを実現したそうだ。
1 Third Stream Boogaloo
2 Dragon Path
3 Packaged Eel
4 Untitled No. I
5 Untitled No. II
6 Tuck
7 Wolfgang Van Gangbang
Derek Bailey (G)
Evan Parker (SS)
Hugh Davies (Electronics)
Jamie Muir (Percussion)
Christene Jeffrey (Voice)
