トーキン・アバウト / グラント・グリーン
白眉はコルトレーンの名前を冠した約12分の熱演
シャープなシングル・トーンが持ち味のグラント・グリーンが、オルガンのラリー・ヤング、ドラムのエルヴィン・ジョーンズという豪華な顔ぶれで放った作品。
「Talkin' About J.C.」「Luny Tune」はラリー・ヤングのオリジナル。
「People」は1964年発表のバーブラ・ストライサンドの代表曲。
あと2曲がスタンダードという、計5曲。
いずれも辣腕3人のキレのいい演奏が炸裂する名演だが、白眉は「Talkin' About J.C.」
J.C.とは、いわずもがな、ジョン・コルトレーンのこと。
エルヴィンはコルトレーン・カルテットのメンバーであり、ラリー・ヤングは“オルガンのコルトレーン”の異名を取る。
コルトレーンの名を掲げて半端なことはやれないのは当然で、その期待を裏切ることなく、ラリーのテーマ、グランドのソロ、ラリーのソロ、エルヴィンのソロと続くダイナミックな展開に、空間の熱量が増していく感じがありありとわかる。
最後にテーマに戻りフェイド・アウトするまで約12分、冒頭のこの曲だけで、お腹いっぱいになりそうだ。
録音は伝説のエンジニアとして語り継がれるルディ・ヴァン・ゲルダー。
グラント・グリーンの代表作であるとともに、60年代半ばのジャズシーンの熱気を記録した一枚と言える。
1.Talkin' About J.C.
2.People
3.Luny Tune
4.You Don't Know What Love Is
5.I'm An Old Cowhand