ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Brazilian Dreamin' / Joe Beck Trio (2006)

マイルスやギル・エヴァンスとも共演した才人が、晩年に残したボサノバの秀作

ブラジリアン・ドリーミン / ジョー・ベック・トリオ

20代前半の若さで、マイルス・デイヴィス、ギル・エヴァンスに登用された才人ジョー・ベック。

マイルスから「ロックギターを弾け」と言われたとされるエピソードが示す通り、メインストリートのジャズに及ばず、ロック、ファンク、フュージョン、なんでも弾けちゃう人である。

約40年にわたり、ギタリスト、アレンジャーとして活躍し、2008年に62歳で他界したが、本作はその3年前2005年の録音である。

なんだかタカナカさんかナベサダさんのフュージョンアルバムのタイトルのようだが、内容はタイトルのイメージ通り、ボサノヴァを中心にしたブラジルテイストで統一されている。

全12曲のうち、アントニオ・カルロス・ジョビンの作品が5曲で、その他にもボサノバの名曲も。

ジョー・ベックのオリジナルも3曲があって、これがなかなかの出来栄え。
特にラストの「What Would I Do Without You?」の美しさたるや相当なものだ。

ギターはエレキもアコギも音の輪郭がクッキリとして耳に心地よいし、シンプルなトリオ編成で、適度にヌケ感があるアンサンブルもいい。

パット・メセニーやマイク・スターンとも共演しているグレゴア・マレのハーモニカも、すごく良い味を出している。

決して日本で有名なギタリストではないし、このアルバムも地味といえば地味だが、夏の終わりの時期にふさわしい音だし、サブスクで聞けるので、この機会によろしければぜひ。

 

 

1. Vivo Sonhando 《 A. C. Jobim 》(5:13)
2. Manha De Carnaval 《 L. Bonfa 》(4:48)
3. Aquarius《 J. Donato 》(6:46)
4. O Grande Amor 《 A. C. Jobim 》(4:49)
5. Felicidade 《 A. C. Jobim 》(5:26)
6. And Here's To You 《 J. Beck 》(5:49)
7. Brazil《 A. Barroso 》(5:47)
8. Ela E Carioca 《 A. C. Jobim 》(4:50)
9. Falando De Amor 《 A. C. Jobim 》(6:21)
10. Zanzibar 《 J. Beck 》(5:14)
11. Giant Steps 《 J. Coltrane 》(5:07)
12. What Would I Do Without You? 《 J. Beck 》(4:37)

 

Joe Beck - guitar
Ira Coleman - bass
Thierry Arpino - drums

guest
Gregoire Maret- harmonica


Recorded at The Studio in New York on September 27 and 30, 2005.