ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Black Velvet / O'Donel Levy (1971)

ジョージ・ベンソンに見出された黒人ギタリストの軽快なジャズ・ファンク

Black Velvet

Black Velvet

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ブラック・ヴェルヴェット / オドネル・リーヴィ

オドネル・リーヴィは、1945年、アメリカ・メリーランド州ボルチモア出身。

名門ジョンズ・ホプキンス大学の音楽学校ピーボディ・インスティテュートで学んだあと、ニューヨークに移って活動を開始。

ジョージ・ベンソンに見出されて、彼の後釜としてジミー・マクグリフ・クインテットのメンバーになった。


グルーヴ・マーチャント(Groove Merchant)レーベルからリリースした初のリーダー作が、ここに紹介する本作。

ちなみに同レベールには「500シリーズ」と称される一連の作品群があるが、そのカタログナンバーの1番(GM501)が、このアルバムである。

 

全体として軽快で心地よくグルーヴするジャズ・ファンクで、R&B色も濃い。

ジョージ・ベンソンの影響がうかがえるが、こういうスタイルが流行った時代でもあった。

かのマーヴィン・ゲイの『What's Going On』も同じく71年である。


本作の基本はカルテットで、曲によってテナー、フルート、トランペットが加わる。

参加メンバーの中では、のちにジェネシスのツアーメンバーなどとして活躍するドラムのチェスター・トンプソンの名前が目を引く。

ジャズ・スタンダードの「Misty」、モータウン・クラシックの「You've Made Me So Very Happy」などのカヴァーの他、オリジナルの「Granny 」「Nature's Child」の曲としての出来もなかなか良い。

 

Groove Merchantの設立者、ソニー・レスターの生誕100周年のアニヴァーサリーイヤーが2024年とあって、1月に廉価キャンペーンが行われて、このアルバムもラインアップされていただが、すでに在庫切れの模様。
中古なら手に入ると思う。

 

 

1 Watch What Happens
2 Granny
3 I'll Close My Eyes
4 Nature's Child
5 Theme from Love Story
6 Didn't I (Blow Your Mind)
7 I'll Be There
8 Misty
9 Call Me
10 You've Made Me So Very Happy

 

O'Donel Levy – guitar
Billy Skinner – trumpet
Arthur 'Fats' Theus – tenor saxophone, flute
Charles Covington – electric piano, organ
Alarza Lee Collins – bass
Chester Thompson – drums
Nathaniel Rice Jr. − congas
William Thorpe – percussion