ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

The Journey / Matteo Mancuso (2023)

スティーブ・ヴァイ、アル・ディ・メオラらが絶賛するイタリアの新鋭

The Journey

The Journey

  • The Players Club
Amazon

ザ・ジャーニー / マッテオ・マンクーゾ

これらの人が賛辞をおくるのだから、当然フュージョン系の人で、プログレッシヴ・ロックにも通じるサウンドを奏でる超絶技巧の持ち主。

とはいえ、近年よく登場してくるような、両手をフレットの上に縦横に走らせ、トリッキーなフレーズを奏でるタイプではない。

ちょっとディストーションのかかった芯のある音でグイグイ攻めてくる、いわばストレート・アヘッドなフレーズを旨としているようだ。

ピックではなく指弾きで、というと誰もがジェフ・ベックを連想するだろうが、なるほど近いニュアンスもある。

本作がデビューアルバムなのだが、きっちりしたアンサンブルの上に、聞きごたえ抜群のソロパートが駆け巡るという、これまた正攻法の作り。

溌剌として疾走感のある演奏が心地よい。

1996年生まれというから、まだ20歳代の半ば。今後が楽しみな逸材である。


諸先輩方の賛辞を列記しておこう。

トーン、タッチ、フレーズ、まさに新しいレベルだ/スティーヴ・ヴァイ
 
彼の即興は何光年も先を行っている。まるでジャコ(・パストリアス)が登場した時のようだ/アル・ディ・メオラ

スタンリー・ジョーダン以来、こんな改革者は見たことがない/ジョー・ボナマッサ

スタンリー・ジョーダンとはタイプが違うと思うが、指弾きゆえの新鮮さという意味では匹敵するかもしれない。


全9曲収録で、うち2曲はアコギで参加しているメンバーとマッテオとの共作で、そのほかはマッテオ単独でのオリジナルだそうだ。

作曲の能力も大したものである。

 


 

 

 

Matteo Mancuso: Guitars
Stefano India: Bass
Giuseppe Bruno: Drums
Riccardo Oliva: Bass on “Falcon Flight” and “Samba Party”
Gianluca Pellerito: Drums on “Falcon Flight” and “Samba Party”
Giuseppe Vasapolli: Piano on “Polifemo” and Organ on “Blues For John”
Vincenzo Mancuso: Acoustic guitar on “The Journey”

1.Silkroad
2.Polifemo
3.Falcon Flight
4.Open Fields
5.Drop D
6.Blues For John
7.Time To Leave
8.Samba Party
9.The Journey