スティーブ・ヴァイ、アル・ディ・メオラらが絶賛するイタリアの新鋭
ザ・ジャーニー / マッテオ・マンクーゾ
これらの人が賛辞をおくるのだから、当然フュージョン系の人で、プログレッシヴ・ロックにも通じるサウンドを奏でる超絶技巧の持ち主。
とはいえ、近年よく登場してくるような、両手をフレットの上に縦横に走らせ、トリッキーなフレーズを奏でるタイプではない。
ちょっとディストーションのかかった芯のある音でグイグイ攻めてくる、いわばストレート・アヘッドなフレーズを旨としているようだ。
ピックではなく指弾きで、というと誰もがジェフ・ベックを連想するだろうが、なるほど近いニュアンスもある。
本作がデビューアルバムなのだが、きっちりしたアンサンブルの上に、聞きごたえ抜群のソロパートが駆け巡るという、これまた正攻法の作り。
溌剌として疾走感のある演奏が心地よい。
1996年生まれというから、まだ20歳代の半ば。今後が楽しみな逸材である。
諸先輩方の賛辞を列記しておこう。
トーン、タッチ、フレーズ、まさに新しいレベルだ/スティーヴ・ヴァイ
彼の即興は何光年も先を行っている。まるでジャコ(・パストリアス)が登場した時のようだ/アル・ディ・メオラ
スタンリー・ジョーダン以来、こんな改革者は見たことがない/ジョー・ボナマッサ
スタンリー・ジョーダンとはタイプが違うと思うが、指弾きゆえの新鮮さという意味では匹敵するかもしれない。
全9曲収録で、うち2曲はアコギで参加しているメンバーとマッテオとの共作で、そのほかはマッテオ単独でのオリジナルだそうだ。
作曲の能力も大したものである。
Matteo Mancuso: Guitars
Stefano India: Bass
Giuseppe Bruno: Drums
Riccardo Oliva: Bass on “Falcon Flight” and “Samba Party”
Gianluca Pellerito: Drums on “Falcon Flight” and “Samba Party”
Giuseppe Vasapolli: Piano on “Polifemo” and Organ on “Blues For John”
Vincenzo Mancuso: Acoustic guitar on “The Journey”
1.Silkroad
2.Polifemo
3.Falcon Flight
4.Open Fields
5.Drop D
6.Blues For John
7.Time To Leave
8.Samba Party
9.The Journey