米「DownBeat」誌は、1934年に創刊。
90年以上の歴史を持つ老舗のジャズジャーナリズム誌である。
ネットメディア全盛の現在でも、ウェブサイトで公開している記事はごくわずかで、月刊で印刷媒体(&デジタル版)の刊行を続けている。
SNSもやってはいるが、X(旧ツイッター)でのポストは、今年になってたった2回だけで(笑)ぶっちゃけやる気は感じられない。
THE RESULTS ARE IN for the 73rd Annual DownBeat Critics Poll! With more than 1,400 artists and albums listed, it's the largest critics poll in jazz history. See the complete results by subscribing to our eNewsletter. Just click below https://t.co/4cdW24PL5v pic.twitter.com/pAvA1Oq8wP
— DownBeat Magazine (@DownBeatMag) July 17, 2025
しかし、こうした「雑誌」へのこだわりは個人的には好きだし応援している。
同じように思うジャズファンが一定数いるからこそ、刊行が続いているに違いない。
「DownBeat」誌は1965年以降、毎年《アルバム・オブ・ザ・イヤー》を選出、発表している。
これまでジャズギターのアルバムが選出されたことは、たった3回しかない。
歴代の顔ぶれにマイルス・デイヴィス、デューク・エリントン、ウェイン・ショーターらの名が並ぶのを見れば、そうそう選出されないだろうとは思うが、約60年で3回とは、いささか寂しい。
そしてその3作のどれもが、なかなかクセのある作品なのである。
これは、そもそもの《アルバム・オブ・ザ・イヤー》の傾向として、前衛性や革新性、芸術性に重きが置かれていて、メインストリームど真ん中の作品は、あまり評価されない。
それでもキース・ジャレットの「at the Blue Note」(1996)やハンコックの「Gershwin's World」(1999)など、王道を行くアルバムも選出されているのだが、ギター関連に限っては、一筋縄ではいかないアルバムが並んだ。
選出に疑問があるわけではない。
パット・メセニー、ビル・フリゼール、メアリー・ハルヴォーソン。
いずれも超一流のギタリストであることはいうまでもなく、それぞれのアルバムの作品性は高く、後世に語り継がれる傑作だと思う。
ただメセニーのはフリーだし、フリゼールのはカントリー色が濃厚だし、ハルヴォーソンはフリーではないが予測不能な展開が多々ある。
予備知識を持たず、ウェス・モンゴメリーやジム・ホールなどのジャズギターのイメージで聴くと、相当面食らうだろう。
以下に、それぞれの紹介記事を貼り付けておくので、未聴の方は上記をふまえつつチェックしていただきたい。
【1987】
Song X / Pat Metheny & Ornette Coleman
【1998】
Nashville / Bill Frisell
【2023】
Amaryllis & Belladonna / Mary Halvorson