ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Cathedral / Philipp Schiepek & Walter Lang (2021)

ミュンヘン発の「祈り」に満ちたギター&ピアノ・デュオ

カテドラル / フィリップ・シーペック&ウォルター・ラング

ドイツ・ミュンヘンの若き英才ギタリスト、フィリップ・シーペック(Philipp Schiepek)と、同じくミュンヘンのベテラン・ピアニスト、ウォルター・ラング(Walter Lang)の初デュオ作品。

フィリップ・シーペックはジャズとクラシックを織り交ぜたかのような、端正で品のある演奏が持ち味。エレキも弾くが、ここではガットギターを選んでいる。

ベテランのウォルター・ラングが鷹揚に構えるという図式で受け止めてしまいそうだが、ここでの2人のコンビネーションは世代を越えて語り合っている印象。

アルバム収録曲はすべて二人によるオリジナルで、コロナ禍の中で作られたせいか、内省的で憂いを感じさせる。

かといって決して線が細いわけではなく、タイトル曲の「Cathedral」は荘厳で力強く、確信に満ちているかのよう。

Cathedral(大聖堂)というタイトルからして、音に祈りが込められていることは確かだろう。

派手さはないが、丁寧に作り込まれた旋律の一つひとつに心が安らぐ。

 

 

 

 

Philipp Schiepek – guitar
Walter Lang – piano

 

1.Sumniran
2.Cathedral
3.Estrela Cadente
4.Kamo
5.Pilgrimage
6.Meditation in Ten
7.Gliding Over Meadows
8.Prelude to the World Is Upside Down
9.The World Is Upside Down
10.Light at the End of the Tunnel
11.The Encourager