ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Once Around The Room A Tribute to Paul Motian / Jakob Bro, Joe Lovano (2022)

ワンス・アラウンド・ザ・ルームートリビュート・トゥ・ポール・モチアン / ヤコブ・ブロ、ジョー・ロヴァーノ

ヤコブ・ブロとジョー・ロヴァーノがポール・モチアンをトリビュート

デンマーク出身の異能のギタリスト、ヤコブ・ブロと、ベテラン・サックス・プレイヤーのジョー・ロヴァーノが、ジャズ・ドラムの伝説的アイコンであるポール・モチアンへ捧げたトリビュート作品。

彼の特徴を思い起こさせるような、レガシーを感じさせるようなオリジナル曲が中心で、モチアンの「ドラム・ミュージック」も採り上げている。

ヤコブはモチアンのアルバム『Garden of Eden』(2006)でECMデビューを果たしているし、ジョーは、モチアン、ビル・フリゼールとのトリオで『I Have The Room Above Her』(2005)などをリリースしている。

そんな縁の深い二人だからこそ、なし得た企画であり、また意義のある企画と言えるだろう。

参加メンバーは、この2人のほか5人。

すべてセプテットでの演奏ではなく、曲ごとに編成を変えながらの録音だ。

演奏は知的で陰影に富み、実にスリリング。

クールで端正なドラミングが持ち味だったモチアンのトリビュートとしては、なるほどである。

しかし、これはヤコブの特徴でもあるのだが、いささか内省的で沈鬱すぎる感もあって、そこは好き嫌いが分かれるところかもしれない。

 

 

Jakob Bro (g) 
Joe Lovano (ts, tarogato) 
Larry Grenadier (double b)
Thomas Morgan (double b) 
Anders Christensen (bass guitar)
Joey Baron (ds) 
Jorge Rossy (ds)

1.As It Should Be
2.Bound Creation
3.For The Love of Paul
4.Song to an Old Friend
5.Drum Music
6.Pause