3ブルージョ / ラルフ・タウナー
ECMを代表するギタリストの初リーダー作
1970年代・80年代のECMを代表するギタリスト、ラルフ・タウナーの初のリーダーアルバム。
なのだが、ベースのグレン・ムーアとのデュオ名義である。
さらに、コリン・ウォルコット(タブラ)、ポール・マッキャンドレス(オーボエ)もクレジットされている。
実は、この4人、タウナーが参加していたオレゴンというバンドのメンバーなのだ。
72年にオレゴン名義でのアルバムもリリースしているのだが、それはヴァンガードから。
なのでECMでは、オレゴンの名前が使えなかったのだろう。
いずれにしても、ラルフ・タウナーの名前を掲げてのアルバムはこれが初だ。
このとき彼は30歳を過ぎていたから、決して早くはないが、そこからの活躍ぶりは凄まじく、70年代だけで9枚のアルバムをリリースしている。
このアルバムで印象的なのは、深いリヴァーブのかかった、12弦ギターの音の響き。
テクニックも素晴らしく、12弦ギターのみのソロ曲も、アグレッシブで深い陰影がありスケールの大きさを感じる。
ピアノも弾いているし、フリーぽい演奏もあるし、ベースのソロ曲もあるしで、全体としてやや統一感にかける印象はあるが、日本人が思うところの欧州的な耽美な音世界は、目新しかった。
なお邦題の「ブルージョ」は1曲目の「Brujo」からだろうが、なぜ原題で出さなかったのか、よくわからない。
1 Brujo
2 Winter Light
3 Noctuary
4 1x12
5 A Belt Of Asterioids
6 Re: Person I Knew
7 Suite: 3x12
8 Suite: 3x12
9 Suite: 3x12
10 Raven's Wood
11 Reach Me, Friend