クラシックギターでスタンダードに挑戦したデビュー作
数十年にわたりサンフランシスコのジャズ・シーンのキーパーソンであるギタリスト、ジョージ・コツィリロス。
1951年生まれなので、70代に入ったベテランだが、少し変わったキャリアの持ち主である。
カリフォルニア大学バークレー校の学生だったころ、ブルースギターにはまり、大学を休学しブルース・バンドで演奏するようになった。
しかしギターでは生活できないため、ロースクールで学び、公選弁護人の助手になり、サンフランシスコで刑事弁護の事務所を設立して成功を納める。
その後、カリフォルニア大学バークレー校、つまり母校のロースクールに就職し、そこで15年間、刑事裁判の実務を教えた。
つまり法律家として十分に成功したわけだが、ギターへの情熱は冷めてはおらず、1995年プロとして活動をスタート。
2003年、初のリーダーアルバムとしてリリースしたのが、この『Silenciosa』である。
ナイロン弦のクラシックギターによるソロ作品で、エレキも弾く人が、なぜこのスタイルでデビューしたのかよくわかないのだが、演奏の完成度は高い。
ややお上品すぎる印象もあるが、クラシックギターだけあって、音は洗練されていてエレガント。
「My Foolish HeartOn」「Green Dolphin Street」などスタンダードの数々を、アットホームな空気感の中で聴かせてくれる。
1.My Romance
2.Blame It on My Youth
3.Just Friends
4.My Foolish Heart
5.I Got It Bad and That Ain't Good
6.Silenciosa
7.Everything Happens to Me
8.On Green Dolphin Street
9.I Do It For Your Love
10.Young and Foolish
11.Here's That Rainy Day
12.I Should Care
13.Ballad of the Sad Young Men
14.Some Other Time
