虹の彼方に / タック・アンドレス
メロディ、リズム、ベース・ライン、ハーモニーを同時に奏でる超絶技巧
夫婦デュオ、タック&パティ(Tuck & Patti)のギタリストとして知られる、タック・アンドレス初のソロアルバム。
アコギ一本でコンボ並の演奏をやってのけてしまう、超絶テクニシャンぶりが半端ない。
ウィンダム・ヒル・レーベルからリリースされたこともあって、ニューエイジ・ミュージックとして紹介されることも当時はあったが、いやいや、このクリエイティビティとスワンプな感覚は、間違いなくジャズだ。
ソロも圧巻だが、彼の持ち味はリズムの刻み方にあると思う。
低音源でウォーキングベースを奏でつつ、同時にコードをカッティングする。
ここまでは普通に理解できるが、彼の場合は、ベースとカッティングのタイム感というかアクセントが、微妙に違っている。
さらにその上にメロディがのってくる。
オーバーダブとしか思えないが、これを一本のギターで同時にやるから、演奏にコンボ並の立体感があるのだ。
マイケル・ジャクソン「マン・イン・ザ・ミラー」など有名曲も採り上げており、そのアレンジのセンスも素晴らしい。
アコギソロの歴史を語る上で欠かせない作品である。
ただ翌1991年にセカンドソロ「Hymns,Carols And Songs About Snow」をリリースするが、ソロ作品はそれ以降、発表されていない。
あくまでもタック&パティが活動のメインということなのだろうが、いささか残念だ。
1 Man In The Mirror
2 (Somewhere) Over The Rainbow/If I Only Had A Brain
3 Louie Louie
4Body And Soul
5 Sweet P
6 Stella By Starlight
7 Manonash
8 Manha De Carnaval
9 Grooves Of Joy
10 Begin The Beguine