カルテットでポール・モチアンやモンクの曲に挑んだ4作目。
メロディ・イン・ア・ドリーム / スティーヴ・カーデナス
前作「West of Middle」から約4年ぶりの新作。これが4作目のリーダー作である。
この人は、初リーダー作以来、「まずトリオありき」というのが演奏の基本形のようで、1、3作目はトリオのみ。
2作目の「Panoramic」はテナーが入っていたが、今回はトランペットを加えてのカルテットだ。が、ペットの出番はあまり多くない。
ドラム、ベースはこれまでとはメンバーが違うし、トランペットのシェーン・エンドスリー(でいいのかな?)はさほど有名ではないみたいで、私も知らないプレイヤーだ。
全10曲のうち、カーディナス作が3曲、バロン作が1曲。
ホレス・シルバーの「Peace」、セロニアス・モンクの「Teo」、ポール・モチアンの「Once Around The Park」「In The Year Of The Dragon」など、けっこう多彩。
4ビートもあれば、ゆったり浮遊する曲もあり、4からフリーに展開する曲もある。
全体におとなしめで知的で整然としていて、ぐいぐい攻めてくる印象はあまりない。
それを物足りなく感じる人もいるだろう。
にしても、カーディナスの饒舌な弾きっぷりはさすがで、スロウにしてもアップテンポにしても淀みなくソツがない。
リズム隊も強靭で駆動力があり、ときどきふわりと漂うギターも、骨太のリズムがあればこその安定感。
ペットは数曲に参加しているのみで、いまひとつ印象は薄いが、先に述べたように全体に大人しめのアルバムなので、彩りを加える意味ではいい演奏だと思う。
Steve Cardenas – Guitar
Thomas Morgan – Bass
Joey Baron – Drums
Shane Endsley – Trumpet
1.Just One More Thing 04:05
2.New Moon 05:55
3.Ode To Joey 06:02
4.Once Around The Park 05:09
5.Broken Time 03:40
6.Street Of Dreams 05:24
7.Subconscious-Lee 03:32
8.Peace 06:46
9.Teo 02:46
10.In The Year Of The Dragon 05:51