白夜の大地 / アル・ディ・メオラ
驚異の速弾きギタリストのソロデビュー作
超絶技巧のギタリストといえばこの人、アル・ディ・メオラのソロデビュー作品。
1974年にチック・コリア率いるリターン・トゥ・フォーエヴァーに参加し、メカニカルで一分の隙ないそのテクニックは驚きをもって迎えられていた。
当時、速弾きといえばジョン・マクラフリンだったが、それに並ぶ逸材の登場にフュージョンファンは大いに沸いたものだ。
特にスパニッシュ・スタイルの演奏をするギタリストは、ジャズ、フュージョンの世界にほとんどいなかったから、それも鮮烈だった。
本作にはリターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバー全員に加え、ベースにアンソニー・ジャクソン、ジャコ・パストリアスも参加。
こうした辣腕メンバーのサポートを受けて、アルはまさに縦横無尽に弾きまくっている。
正確無比なオルタネイト・ピッキングで、音の粒立ちがよく、ソロのアイデアも豊富で躍動感に富み、飽きさせない。
サウンドはRTFに近いものがあるが、参加メンバーと時期を考えればそれも当然で、アルらしさが発揮されるのは、次作の『エレガント・ジプシー』を待つことになる。
Al Di Meola – guitars, synthesizer, percussion, vocals
Chick Corea – piano, marimba (6)
Barry Miles – keyboards, synthesizer (2, 5)
Stanley Clarke – bass guitar, vocals (4)
Anthony Jackson – bass guitar (1, 2)
Jaco Pastorius – bass guitar (5)
Steve Gadd – drums (1)
Alphonse Mouzon – drums (5)
Lenny White – drums (2)
Mingo Lewis – percussion (1, 2, 4, 5)
Patty Buyukas – vocals (4)
1.THE WIZARD
2.LAND OF THE MIDNIGHT SUN
3.SARABANDE FROM VIOLIN SONATA IN B MINOR
4.LOVE THEME FROM "PICTURES OF THE SEA"
5.SUITE - GOLDEN DAWN
6.SHORT TALES OF THE BLACK FOREST