ジョンスコがジャズというフィルターを通してカントリーを再解釈した秀作
カントリー・フォー・オールド・メン / ジョン・スコフィールド
たいへん中身がわかりやすいタイトルとジャケ写である。
本作は、長年にわたりジャズ、フュージョン、ファンク、ブルースなど多様なジャンルを探求してきたジョンスコが、自身のルーツであるカントリーやフォーク・ミュージックに立ち返った作品。
採り上げているのは、トラッドソングのほか、ハンク・ウィリアムズ、ドリー・パートン、シャナイア・トゥエインらの曲。
しかし、そこはジョンスコなので、単に原曲をなぞるのではなく、ジャズというフィルターを通して、ひとクセ加えつつ再解釈している。
1曲目がたいへんのどかで耳あたりがいいものの、全曲これだったらちょっとしんどいなー、と思っていたら、2曲目はアップテンポの4ビートで攻めてくる。
ドリー・パートンの「ジョリーン」、日本ではオリビア・ニュートン=ジョンのカヴァーが有名だが、これをどう料理するのかと思ったら、やや陰のある4ビートで仕上げていて、なるほどである。
全編にわたり、ジョンスコらしい、ブルージーでスリリングなフレーズを随所に繰り出してくるし、旧知の気心の知れたメンバーとの緩急も自在。
ラリー・ゴールディングスのアーシーなオルガンや、ビル・スチュワートの疾走感あふれるドラムなど聞きどころが満載だ。
ジャズメディアでの評価も総じて高く、2017年のグラミー「Best Jazz Instrumental Album」を受賞している。
レビューの中には「もっと早くカントリーを採り上げてもよかったのでは?」とのコメントも見受けられるが、録音時に彼は64歳。
ジョンスコの力量をもってしても、カントリーに向かうには、相応のキャリア、年季が必要だったのかもしれない。
John Scofield – guitars, ukulele (12)
Larry Goldings – acoustic piano (1, 5, 6), Hammond organ (2-4, 7-11)
Steve Swallow – bass guitar
Bill Stewart – drums
Mr. Fool(ジョージ・ジョーンズ)
I'm So Lonesome I Could Cry(ハンク・ウィリアムズ)
Bartenders Blues(ジェームス・テイラー)
Wildwood Flower(ジョセフ・フィルブリック・ウェブスター)
Wayfaring Stranger(トラディショナル)
Mama Tried(マール・ハガード)
Jolene(ドリー・パートン)
Faded Love(ボブ・ウィルズ)
Just a Girl I Used to Know(ジャック・クレメント)
Red River Valley(トラディショナル)
You're Still the One(シャナイア・トゥエイン)
