ジャズギターを聴く

JAZZ GUITAR ALBUM SELECTION

Blue Has a Range / Steve Cardenas (2020)

6作目にして初のカルテット作品、ブライアン・ブレイドのドラムが冴える

ブルー・ハズ・ア・レンジ / スティーヴ・カーディナス

1959年生まれ、カンザス州出身のギタリスト、スティーヴ・カーディナスの通算6作目のリーダーアルバム。

ドラムは凄腕ブライアン・ブレイド。

ピアノも、ブレイドのフェロウシップ・バンドのジョン・カワードなのだから、これは気になる。

実は、スティーヴ・カーディナスが、ピアノを含めたカルテットでアルバムをリリースするのは、これが初。

ベースは2010年のカーディナスの3作目にも参加していた旧知のベン・アリソンである。

この顔ぶれなのだから、安定感があるのは当然で、各人が勘所を押さえた演奏はさすが。

カーディナスのギターは、パット・メセニー風であったりジョンスコ風であったりと、先輩格の影響をにじませつつも、端正で抑制の効いたカーディナス節を奏でている。

ニューオリンズ風味の「Blue Language」、アコギの響きがアメリカーナぽい「Fern's Guitar」、ミニマルなテーマからドラマティックな展開を見せる「Reflector」など曲想は多彩で飽きさせない。

スロウ~ミディアムテンポの曲が多く全体に穏やかでゆったりした印象で、それはそれで心地よいのだが、なんせこの顔ぶれなのだから、もっと各人がエネルギッシュに攻めてくる曲があってもよかったと思う。

4曲目「Highline」でのブレイドのソロを聴くと、なおのことそう思う。

 


Steve Cardenas (G)
Jon Cowherd (P)
Ben Allison (B)
Brian Blade (Ds)

1. Lost and Found 6:27
2. Blue Language 7:04
3. Language of Love 6:28
4. Highline 5:40
5. Fern's Guitar 3:34
6. Reflector 4:39
7. Siquijor 7:55
8. Signpost Up Ahead 2:51
9. Blue Has a Range 4:50